画像準備中       高瀬理恵・作

小学館ビッグコミックス
(小学館「ビッグ コミック」連載中)







今回はマンガの隠れた名作を紹介しようと思います(既に知っている人ご免なさい)
作品の名前は「公家侍秘録」、作者は高瀬理恵さんです。

題名からも察せられるとは思いますが、舞台は京都になります。そして題材となる時代は天下泰平な時分(多分19世紀の前半あたり)の江戸時代です。
公家を扱う作品となると「あさきゆめみし」や「陰陽師」などに代表されるように平安時代が圧倒的に多いですよね。
またそのほかで京都を扱った作品なら新撰組関連や坂本竜馬関連など幕末のものなら掃いて捨てるほどありますが、その前の京都というと作品も全然見当たらなくなってしまいます。
そんな中で、オイシイ題材がぎっしりとつまっていながらも見逃されていた時代のマンガを描く、それだけでも十分に面白い作品だと期待できますよね♪
この時代、公家が写本だとかの内職をしては家計の足しにする、という歴史的に唯一の時代でもありますし(笑)

では、物語の紹介を・・・
「公家には、名物・名宝を愛でる風雅の心より、しばしば"もの守り"する者を置くと云う――」
このような出だしで始まる物語、ちょっと意味深です(^^;
物語の主人公といえるのは貧乏公家日野西晴季に仕える青侍(公家に仕える侍)、天野守武。
そして日野西晴季とその娘、薫子です。
日野西家は、江戸の時代の公家によく見られるような無役(朝廷での役目がなく、当然そこからの収入もない)の貧乏公家です。
そんな訳なので、主従揃っていつものように内職をしていたり・・・。
しかしそんな日野西家にも他に誇れるものがあります。
それは先祖が天皇のそば近くに仕えた時に下賜された宝刀"粟田口久国"
そして守武(薫子はそうは思っていないみたいですが・笑)
と言うのも、父祖の代より日野西家に仕える青侍である守武は、実は粟田口久国の・・・(以下ネタばれになるので略)

このおはなしの物語は日常の中で進んでいきます。
しかも貧乏公家の日常(笑)
その日常の中に時折として湧き上がる非日常といっても差し支えのない出来事。
そういったエピソードを一つ一つ積み上げていった、それが「公家侍秘録」の物語です。
しかも、これの話のうち何割かは守武の内職先で起こるものだったりしますし(笑)
しかし、こう言うのもなんですが、本当によく取材しているのだろうなぁ、と思ってしまいますね。
江戸時代の京都と公家、末期の真っ赤に熱せられた鋼のような時期ならともかく、後期の良くも悪くも爛熟した時代を扱ったお話。
かなりマイナーな舞台設定なので少しくらい適当でも大半の人には分からないだろうとも思いますが、この中にはそんないい加減なとこは全然感じられませんですから。
それこそ、この頃の京都は、そして公家はこんな感じだったのだろうなぁ、と想像が広がってしまうほど。

さらにはお姫さん(おひいさん)の薫子がホントいい味を出しています。
物語の三割は彼女のワガママから始まっていると言っても過言じゃないほど(笑)
やっぱりこういうキャラクターはホームコメディ的な物語には不可欠なのだなぁ、とまで思ってしまいました(爆)

この「公家侍秘録」、今も連載中です。
連載先は小学館の「ビッグ コミック」、但し掲載が不定期の上、増刊号の方に掲載されたりもしているので雑誌ではいつ読めるか、私にも全く予想できません(苦笑)
コミックとしては小学館ビッグコミックスから2巻まで出ています。

ちなみに2巻はついこの前に発売されたばかりなのですが、この帯がまた振るっています。
その帯とは・・・

編集長イチ押しコミック!!
 時代物ファンは、とりあえず必読!
 サスペンスあり、コメディもある。
 痛快娯楽の傑作、待望の新刊!!
試し読み大歓迎!
書店の皆様へ この商品は試し読み大歓迎作品です。ビニールパックをかけないで下さい。


といった感じで(笑)
出版側の自信とそこまで書かせる作品の面白さ。
これらが揃っていたとしても、いくらなんでも帯にここまで書くことはないだろう、と普通思いますよね?
確かに既に作品を知っている人間が帯を見ても「その通り」と思うだけなのですけれど(苦笑)
とりあえず面白いのは確かです。
まだ2巻までしか出ていないから、懐にもそんなに響かないでしょうし(ニヤリ)

そんなこんなで(どんなだ!)皆様方も是非一読をオススメします。
ホントにビニールパックがかけられていない店は僅かなものでしょうけど(苦笑)
どっちにしろたくさん売れたらもっと発表の機会も増えるでしょうしね(これが本音・笑)
・・・もしや出版側の思惑も私の本音と似たようなものだったりして(笑)


(2001.08.12)





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