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画像準備中       川原 泉・作

白泉社・花とゆめコミックス
全3巻白泉社文庫 全2巻








今でも思い出せるカーラ教授の作品との出会い・・・
それは3年前の冬、見事(?)留年の決まった私が、単位の計算を間違えて半年留年が決まるなど露知らずにのんび〜りしていた友人(書痴)の家に車で(勿論、行き帰りとも両手に目一杯本の詰まった紙袋を提げて)遊びに行ったときです。
「そーいやお前、川原泉の本を読んだことあるか?」
こう友人がのたまいました。
知らないと答える私に、あいつは「中国の壺」(文庫)を見せ、この本の解説を田中芳樹がやっていることを言い、それはともかく読んでみな、と所有しているカーラ教授の作品全部を持って帰る本の山に加えて・・・。 次の日の講義に遅刻したことは言うまでもありません(をい)
そして、その日から札幌市内の古本屋でカーラ教授の本を探す一人の書痴が誕生したことも言うまでもないでしょう(笑)

というわけで今回紹介するのはカーラ教授の作品で「笑う大天使(ミカエル)」です(あれ?)
ホントは「中国の壺」を紹介しようと思ってたんですけど、この本(文庫)には表題作の他、中篇、短編がいくつか収められていて、どうも紹介しづらいというか・・・(^^;
そういう点では「笑う大天使」とか「バビロンまで何マイル?」とかの方が紹介しやすいのです(言い訳)

さて、内容を・・・。
「笑う大天使」は司城史緒、斎木和音、更科柚子という聖ミカエル学園という日本を代表するお嬢様学校に通う、お嬢様とはいささか毛色の変わった3人の娘があれこれするお話です。
3人がそれぞれエセお嬢様であることをカミングアウトする話と国際的な誘拐団を退治(?)するお話が(多分)本編で、3人それぞれを主題にした外伝的な話が計3編。
おしとやかな女性しかいないような校内では特大のネコを被りつつ、3人だけ、もしくは既にカミングアウトしている人たちの間の時には学校裏の雑木林でアジの開きを焼いたり、アンまんを日本からイギリスまで空輸しては一緒に食べたり・・・(^^;
内容は一貫して一見のんびりほのぼのとして見えるも、その実それ以上にとことんのんびりかつお気楽極楽しているマンガです。

そしてそうしてそれだけじゃなく・・・。
これはカーラ教授の作品全部に当てはまることなのですが、作品が妙に知的でそのくせ常識に一々捉われないような軽やかさを持っている、と。
そして中のセリフ。
不思議なセリフ回しは哲学的ですらある、なんて著者紹介にまで書かれていたりするその言葉遣いは誰にでも印象的で、ついにはそのセリフ数百を抜粋して1日毎に収録した「本日のお言葉」なんて本が出たりなんかしています(しかも2冊!)

「笑う大天使」は白泉社より発売されていて花とゆめコミックスでは全3巻で、白泉社文庫からでは全2巻にて発売されています。
花とゆめコミックスの方はまだ書店で買うことができるかどうかはちょっと分かりませんが、文庫の方なら注文さえすれば確実に買うことができると思われます。
どんな内容か分からない人は実際片手にとって見てみてくださいな。
「カイザルのものはカイザルに
 神のものは神に返せとキリストも言っている」
「イタリアの変態はイタリアに帰すのがスジだよな」
こんなことを言う(外見)お嬢様は多分、実際の世にはいないと思いますがその哲学的なまでな言葉の羅列にページをめくる指が止まらなくなることかと。


(2002.04.29)





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